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2022.09.27/犬診療

避妊手術のお話

こんにちは、院長の田積です。

今日は避妊手術のお話をします。

今回のモデルは、避妊手術をがんばってくれたとろろちゃん。

日帰り手術でしたが、お迎えのときにキャリーから顔を出して表情を見せてくれました。

ちなみに術創はこんな感じです。(皮内埋没縫合をしています)

 

どうして避妊手術、去勢手術をするのでしょうか。

全身麻酔をして、健康な体にメスを入れるのはかわいそうに思うのは当然のことと思います。

それでも避妊手術をするのは、メリットもあるからです。

<避妊手術のメリット>

・性ホルモンによる体調、精神状態の変化の抑制

発情中は食欲が落ちる子も多く、精神的にも不安定になりがちです。

マーキングが激しくなったり、イライラして攻撃的になる子もいます。

こういった変化が要因で、おうちの方や同居犬・猫との関係が悪化してしまうこともあります。

・病気の予防

中高齢になると、生殖器の病気がしばしばみられます。

女の子に代表的な病気として、子宮蓄膿症や乳腺腫瘍、卵巣腫瘍などが挙げられます。

いずれも発見が遅れると手遅れになってしまうこともある病気です。

(とくに猫の乳腺腫瘍は悪性度が高く、早期発見・早期の広範囲な乳腺切除が必要とされています)

避妊手術はこれらの病気を予防する効果があります。

避妊手術をした子のほうが平均寿命が1年以上長くなる、という論文も出ています。

<避妊手術のデメリット>

・全身麻酔、手術のリスク

術前検査をしっかり行い、ASA分類によって麻酔リスクを相対的に評価します。

また、術中の血圧管理や体温管理に注意することで可能な限りリスクを下げるように配慮しています。

・代謝の低下による肥満のリスク

生殖に関わるエネルギーが不要になるため、代謝が低下して太りやすくなります。

最近は、避妊去勢後用のフードも各社から発売されていますし、それでも太りがちな子には減量用のフードを活用することもできます。

・尿漏れ

主に犬、とくに中型犬以上の体格の子で多いと報告されています。

・縫合糸アレルギー

非吸収性の縫合糸での発生が多いとされています。

当院ではアレルギー反応のリスクが低い吸収糸を使用しております。

あるいは超音波シーラーと呼ばれる機械を使用してできるだけ体内に糸を残さない手術をすることも可能です。

 

以上のように、避妊手術にはメリットもデメリットもありますので、手術をする・しないはどちらが正解とは一概に言えません。

もちろん避妊手術をしていなくても、子宮や乳腺の病気にならない子もいます。

それでも、子宮蓄膿症になってしまって重篤な状態で入院した子や、乳腺腫瘍で広範囲に手術をした子、老齢で基礎疾患もある子で手術が必要になってしまった子をみると、若くて元気なうちに避妊手術をしておけば・・・と思ってしまいます。

術後服の活用や、吸収糸で皮内を埋没縫合をすることで、エリザベスカラーの着用ストレスを最小限にすることもできます。

その子その子にあわせていろいろな選択肢がありますので、お気軽にご相談ください。

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<9月休診のお知らせ>

9月19日(月祝) 25日(日)休診

9月23日(金祝) 午後休診

ご迷惑をお掛け致しますがご了承ください

定休:水曜・日曜午後

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